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    ワンヘルスに向かって第19 話~保護猫テテ君との出会いと別れ~

    2024-07-13

    保護犬・保護猫探しの中で忘れられない出会いと別れがありました。

    どうぶつセラピー研究会は、ONE HEALTH GARDENで愛育する保護犬・保護猫を探しに、幼児教育研究会の授業の時間や課外を使っていくつもの譲渡会に参加しました。

    その中で、様々な活動家の方々や保護犬・保護猫との出会いがありました。

    ONE HEALTH GARDENに迎え入れたい保護犬や保護猫は、比較的簡単に見つかり、短大での飼育環境を説明し譲渡していただくようお願いするのですが、一向に譲渡していただける方や団体に巡り合えないのです。やはり、前例もなく、2年間で学生は入れ替わり、夜間誰もいなくなる学校では心配だというのが理由です。プロによる指導体制や学生及び職員の当番制による年間を通じての動物の世話に加え、見守りカメラやかかりつけ病院、緊急時の態勢等についてお伝えしてもなかなか首を縦に振ってはくれません。

    その日は、譲渡会のホームページである保護猫に目星を付け、期待に胸を弾ませ会場に向かったのですが、着いた時には、もうその猫は誰かに譲渡が決まっていました。皆、意気消沈し帰りかけたその時に、ある女性から声をかけられました。最近、家の近くの畑でやせ細った野良猫を見つけ一時的に保護しているので、その猫を飼わないかと言うのです。

    後日、どうぶつセラピー研究会の代表の学生達が藁にもすがる思いで、その女性の自宅を訪問し、出会ったのが写真の保護猫テテ君です。痩せてはいましたが、人を怖がる様子はなく、自分から近づいて来て、体に触れても嫌がりません。その人懐こさにどうぶつセラピー研究会の代表者達も一目惚れしてしまい、是非譲渡して欲しいとお願いしたのです。

    ただし、ONE HEALTH GARDENにどうぶつを迎えるには、感染症にかかっていないかどうか検査を受ける必要があります。他のどうぶつに病気をうつしてしまっては困るからです。そのため、また後日、テテ君をあずかり動物病院に連れていき検査を受けることにしたのです。

    いよいよ検査の日が来ました。代表の学生と担当の教員で近くの動物病院に連れていき、検査の結果が出るのを固唾を呑んで待っていました。結果は大変ショックなことに、猫エイズウイルスに感染していることが分かりました。猫エイズは人には感染しないことから、エイズ猫だけをこの施設で飼うことも含め色々と検討したのですが、人と動物との触れ合いを通じONE HEALTHの理念を地域に普及するという当初の目的からは、断念ぜざるを得ないという結論に至りました。テテ君は、何が起きたかも分からず、以前と変わらぬ人懐こさで愛嬌を振舞っていました。

    それから、テテ君の里親探しが始まったのですが、最終的には、本学の職員の家で飼われることになり、元気に過ごしていると言うことです。

    写真は、検査の日、半日だけONE HEALTH GARDENで過ごした時の様子です。

    テテ君、出会えて良かったね。いつまでも元気でね!

    ≪18話 ≫20話